否定文 frase negativa
 ある事実を否定して述べる文。これに対するのが肯定文である。否定文は基本的に動詞の直前に否定辞 «não» を置くことで得られる.
(1) A água não está fria. 水が冷たくない.
(2) A água está fria. 水が冷たい.
 また主語に否定の不定形容詞、不定代名詞を含む場合、動詞の直前に否定辞をおかない。
(3) Ninguém quer almoçar. 誰も昼食をとりたがらない.

 主語に否定の不定形容詞、不定代名詞を含む場合、動詞の直前に否定辞はおかないが、目的語がさらに否定の不定代名詞をとることもある。
(4) Ninguém quer comer nada. 誰も何も食べたがらない.

 目的語のみ否定の不定形容詞、不定代名詞を含む場合、動詞の直前に否定辞をおくのが義務的である。
(5) Ele não quis comer nada. かれは何も食べたくないのだ.
(6) A Maria não conhece nenhuma pessoa do grupo. マリーアはそのグループの人を誰も知らない.

 総じて、動詞より前の位置に否定の意味をもつ主語があれば動詞を否定する否定辞 «não» が不要になる。
 そのいっぽうで主語に否定の不定形容詞、不定代名詞が含まれ、目的語にも否定の不定形容詞、不定代名詞がある場合は動詞に否定辞を加えないかたちで、いわゆる二重否定が見られる。
(7) Ninguém percebeu nada. 誰も何も気づかなかった.

 否定辞 «não» よりも強調した否定には «nunca» などをもちいる。強調の否定 «nunca» は文頭あるいは動詞の直後に置く。
(8) Nunca ninguém diz nada.決して誰も何も言わない.
(9) Os dois não esquecerão nunca essa noite. ふたりはその夜を決して忘れないだろう.
 このように否定辞は二重、三重にもちいられることもあり統語的には複雑な面がある。

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