ピジン語、〜諸語、〜言語 pidgin (s.m.)
 共通言語をもたない2つ以上の集団が、一定期間以上、しばしば特定の目的をもって交渉を持つ際に形成される接触言語をつうじて、植民地などにおいて現地の言語とヨーロッパの言語が混成・簡略化されて通商などの目的で用いられた共通語をいう。
 ピジンは接触言語のひとつのタイプであり、いずれの集団の母語でもなく、使用する場面や用途が限定されているために、必要とする状況がなくなれば、自然消滅することが多いと言われる。しかし、場合によっては、異なる社会状況のもとで存続し、語彙的文法的に拡張されて安定的に使用される地域共通語となったり、さらにはそれを母語とする集団によりクレオール言語(crioulo)に変容することもある。

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