名詞の前に置かれて、名詞を修飾、限定する。ポルトガル語には定冠詞と不定冠詞がある。後続する名詞の文法性と数に一致するため以下の表のとおり、定冠詞、不定冠詞それぞれに各4種類の異なる形式がある。
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定冠詞
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不定冠詞
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男性形
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女性形
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男性形
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女性形
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単数
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o
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a
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um
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uma
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複数
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os
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as
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uns
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umas
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定冠詞は話し手と聞き手の間に指示する物についてすでに了解が成り立っている場合に用いる。
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(1) Empresta-me a caneta. そのペンを貸してくれ. |
いっぽう不定冠詞は名詞のあらわす同一の集合のうちどれでもよいのでひとつを選択するという意味をもつ。
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(2) Empresta-me uma caneta. (どんなものでもよいから)ペンを1本貸してくれ. |
なお名詞複数形に不定冠詞がつく場合、名詞のあらわす同一の集合のうちからいくつかを選ぶという意味をあらわす(英語の someに相当する)。
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(3) Empresta-me umas canetas. (どれでもいいので)ペンを何本か貸してくれ. |
定冠詞 (o, os, a, as)と指示詞 (esse, esses, essa, essas) とは時に意味の差が明瞭ではない。話者と聞き手との間に指示物にかんして了解がなりたっているという点では共通している。しかし指示詞(esse, etc.) で限定する名詞が話し相手の手の届く範囲にあるのに対して、定冠詞はそうとは言えない.
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(4) Empresta-me essa caneta.(君の手元にある)そのペンを貸してくれ. |
これに反して (2) で述べられる«a caneta»は、発話時に話し相手の手元にあるか否かと無関係に話者と聞き手との間に了解がなりたっている。
なお、PEでは所有詞の前に定冠詞をおくのがふつうであるがPBでは通常定冠詞をおかない。
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(5) Conheço a sua mulher. あなたの奥さんを知ってます.
(6) Conheço sua mulher. (同上) |
なおPBでも(5) は非文とはされずまれに用いられることもある。
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