モサラベ語 moçárabe, romance moçarábico
 イスラム支配下にあった中世期のイベリア半島、あるいはレコンキスタ(国土回復運動)でキリスト教によりイスラム教徒から奪回された領域で話されていた、俗ラテン語に由来する諸方言の総称。これらの方言はモサラベ人(モーロ人支配下に住むキリスト教徒)だけでなく、当時同じ領域に住んでいたイスラム教徒やユダヤ人によっても話されていた。
 モサラベ語の諸方言は、レコンキスタ以後、ポルトガル語やスペイン語などの新たに支配的となった言語へと少しずつ変容し、13世紀には、固有の方言としての独自性を失った。  

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