リンガ・フランカ (リングア・フランカ) língua franca
 リンガ・フランカには、2つの異なった用法がある。
1)歴史的な言語名の通称としてのリンガ・フランカは、地中海行きの港において、中世から19世紀ごろまで用いられた交易上の通用語で、イタリア語をもとにしたロマンス諸語の要素と、多少のアラビア語的要素が混じり合った地域的共通語をさす。港を中心とした限られた地域で、外交や商業取引の交渉に際し、相互理解の必要から産まれたために、その場限りの不完全な言語であった。この場合、リンガ・フランカとは別に、おのおのの母語をもち、地域社会生活は、各地方の言語で行っていた。

2)場所と時代を特定しない一般的な術語としての「共通語」の意味で用いられるリンガ・フランカは、母語を異にする言語集団が、限られた状況で用いる、ある一定の広がりをもつ地域での通用語ないしは共通語をさす言語学上の用語。

Copyright © 2012 Toshimi Ueda All rights reserved.

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