前方照応的 anafórico
 代名詞や定冠詞などの用法のうちで、同一の文あるいはテキスト内ですでに述べられた語句を参照する機能について言う。名詞はanáfora(前方照応), 副詞は anaforicamente(前方照応的に)。

 たとえば人については(1)の例におけるように最初に具体的な名前 (a Maria) が示されたあとで代名詞 ela が既に述べた具体的な人物 (a Maria) を前方照応的に参照して示している。

(1) Quando o João viu a Maria, ela ia apanhar um taxi.ジョアンがマリーアを見かけた時、彼女はタクシーを捕まえようとしていた.

 また(2) におけるように初出の名詞は不定冠詞を伴って «um restaurante» と提示されるが、それを前方照応的に参照する場合は、定冠詞を伴って «o restaurante» と表現される。

(2) Havia um restaurante italiano razoável ao lado do mercado. Porém o restaurante, famoso pelo seu bom serviço, não demorou muito tempo a fechar portas. 市場の横にそこそこのイタリアレストランがあった。そのレストランはサービスが良いので有名だったがほどなく閉店してしまった.

 いっぽう以下の例(3) では指示詞の «o que» が前述の文の内容全体を前方照応的に参照している。
(3) As pessoas desta terra são muito abertas, o que é raro neste país. 当地の人々はとても開放的だが、そういうことはこの国ではまれである.

 後方照応的 catafórico に対する概念.


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