基本三時称 três tempos primitivos
 直説法・現在形、直説法・過去形、非人称不定詞、の3時称を言う。ポルトガル語の時称形式は、不規則活用をのぞきこれらの時称からすべて派生し有機的な関係を保っている。 規則動詞(第一、第二、第三活用動詞)の活用形は語基、幹母音および活用語尾の3部分に分けることができる。活用語尾はさらに、叙法・時称接辞と人称・数接辞に分割される。半過去形を例にとってみると以下のように表に示すことができる。

(1) 直説法・現在形から派生する時称:直説法・半過去形、接続法・現在形、命令法

1人称・単数形の活用語尾 〈 -o › を削除して語基を得たのち、語基にそれぞれの活用語尾を加える。以下では直説法・半過去形、接続法・現在形、を例に挙げる。これらの他、命令法が直説法・現在形から派生する。

■ 直説法・半過去形


■ 接続法・現在形

(2) 直説法・過去形から派生する時称:直説法・大過去単純形、接続法・半過去形、接続法・未来形.

2人称・単数形あるいは1人称・複数形の活用語尾を削除して語基を得たのち、語基にそれぞれの幹母音と活用語尾を加える。以下では規則動詞と不規則動詞について接続法・未来形、を例に挙げる。

■ 接続法・未来形(規則動詞)


■ 接続法・未来形(不規則動詞)
不規則動詞においては直説法・過去形における幹母音の音質が保たれことに注意が必要である。


(3) 不定詞から派生する時称:直説法・未来形、直説法・過去未来形、人称不定詞、現在分詞、過去分詞。 いずれも不定詞に各時称の活用語尾を付加することにより得られる。例として直説法・過去未来形と人称不定詞を示す。

■ 直説法・未来形 (例外:dizer, fazer, trazer)


■ 直説法・過去未来形 (例外:dizer, fazer, trazer)


 以上の派生に関する基本3時称とその他の諸時称形式との関係をまとめると以下の表に示すことができる。


詳しくは『ポルトガル語4週間』, p. 573-6 参照。→時称

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