非表示主語 sujeito oculto
 ポルトガル語の文において主語が実際にあらわれていなくても文脈によって同定できる場合、主語は非表示であるという。ポルトガル語の用語としては «sujeito elíptico», «sujeito desinencial», «sujeito implícito» とも呼ばれる。
(1) Somos estudantes desta universidade. 僕らはこの大学の学生だ.
 
 上記の例文 (1)では«ser» 動詞の活用形式 «somos» から主語が «nós» であることが明らかであるが、実際に表示はされていないので、「非表示」である。そのほかにも非表示主語が文脈から同定される場合もある。

 例文(2) では «dizia» および «ia atrasar» の主語は文面に現れていない。したがって単に活用形式からみれば、1人称単数形と3人称単数形とが重複しているため主語が不明となりうるが、文脈からは3人称単数形の «o João» が両動詞の主語であることが明らかになる。

(2) O João prometeu entregar o documento até ao sábado passado. Mas na mensagem que recebi ontem dizia que ia atrasar mais uma semana. ジョアンは先週の土曜までに書類を渡すと約束した.しかし昨日受け取ったメールではもう一週間遅れるとのことだ.

 →不確定主語 sujeito indeterminado


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