直説法 indicativo
 叙法(modo)の一種。一般に話者が現実とみなしている状況を述べる場合に用いる叙法と言われる。こうした状況は時称の機能により発話時(現在)を基準として、前(過去)あるいは後(未来)に位置づけられる。話者の心的態度によって直説法が選択されるので、確かに述べられる文の真偽に無関係に直説法を用いることが可能である。
(1) Garanto que o mundo é uma esfera. 地球は球であると保証します.
(2) Garanto que a Terra é uma superfície completamente plana. 地球は完全な平面であると保証します.

 そのいっぽうで直説法によって推量をあらわすことも可能であるから、話者が真実とみなしてはいないことも直説法によって述べることが可能とも言える。
(3) Ele estará na reunião neste momento. 彼はいま会議中だろう.
(4) Ontem terá realizado um concerto aqui. 昨日ここでコンサートがあったようだ.

 このように一般的な定義は概ね有効であるが必ずしも完全とは言えない。叙法とは、むしろ動詞の活用形式を範疇化する際に派生方法を踏まえて用いる形態的な基準としたほうが合理的とも考えられる。

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