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話者の発話時を現在とすると、この時点より時間的に前方に位置している時間を未来とよぶ。未来の時間帯は現時点から前方に向かって無限に開いているが、現在からみて時間的に近接していると考えられる未来の時間帯をとくに伝統的には近接未来という。
未来、あるいは近接未来という用語は伝統的に用いられる時間にかかわる概念であり、動詞時称形式の範疇としての「未来形」とは区別して考える必要がある。また近接未来を表現することに特化した動詞時称形式はポルトガル語には存在しない。
実際の時間との関係上「近接」という概念は曖昧である。話者の心的態度により、1分後のことは近接しているとも言えるし近接していないとも言えるからである。同様に100年後のことが近接しているとみなされることもあれば遠い未来のこととみなされることもあろう。
しかしながら日常的な意味においては概ね有効な概念であり伝統文法ではしばしば用いられる概念である。時称形式による未来の表現について考察すると、決定事項としての未来の事情は直説法・現在形によって表現されることが多い。
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(1) Amanhã há uma reunião. 明日会議がある. |
いっぽうこうした予定を示す場合、動詞迂言表現のひとつである【irの直説法・現在形+不定詞】が広く文語、口語において用いられる.
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(2) Daqui a uma semana, vai abrir um novo café nesta rua. 一週間後にこの通りに新しい喫茶店が開店する.
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この動詞迂言表現を含む文の主語が生物であれば主語の意思の表明と理解される。
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(3) Então vou falar com ele. では彼と話をしよう. |
これらの文はいずれも直説法・未来形によって表現が可能であるが、直説法・未来形の表す意味は推量、予定、堅固な意思などさまざまである。
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(4) Amanhã haverá uma reunião. 明日会議があるだろう(推量)
(5) Daqui a uma semana, irá abrir um novo café nesta rua. 一週間後にこの通りに新しい喫茶店が開店するはずだ(予定).
(6) Então irei falar com ele. では彼と必ず話をしよう.
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こうした典型的な例に関わらず文脈によってはこれ以外にもさまざまな意味の表現を担うことがある。また【irの直説法・現在形+不定詞】は規範的には不定詞に ir, vir をとるべきでないとされるが口語ではそのかぎりではない。
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(7) Você vai vir amanhã? (coloquial) 明日来ますか?
(8) Vou ir à festa hoje à noite. (coloquial) 今晩パーティーに行くつもりだ. |
逼迫した状況をあらわす動詞迂言表現は文字通り近接未来をあらわすとも言える。
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(9) O vulcão está para entrar em erupção. 火山は今にも噴火しそうである. |
これらの諸形式の意味については、伝統的にはアスペクト研究、それにともなう動詞迂言表現の研究で深く扱われる。 |
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