後接辞 proclítica
 無強勢語で直後に現れる語の強勢に依存し音声的にあたかも一語であるかのように一体化して発音される語を後接辞という。またこのような現象を後接(próclise)と呼ぶ。形容詞は proclítico. ポルトガル語の無強勢代名詞は PB において、とりわけ常用口語で一般に動詞に対して後接代名詞 (pronome proclítico) として実現する。しかしながらある種の文語においてはこの限りでなく、前接辞となる場合もある。
(1) Me dá um copo de água. (PB) コップ一杯水をください. (後接辞)
(2) Dê-me um compo de água. (PE)  コップ一杯水をください.(前接辞)

 いっぽうPE では無強勢代名詞は一般的に前接辞として実現し、ある種の条件が加わると後接辞となる。たとえば否定辞、接続詞、ある種の副詞のあとにあらわれる場合は後接辞となる。
(3) O primeiro encontro realizou-se ontem.  昨日最初の会議が行われた.
(4) O primeiro encontro não se realizou ontem. 昨日最初の会議が行われなかった.
(5) Sabemos que se realizou ontem o primeiro encontro. 昨日最初の会議が行われたのを知っている.
(6) Talvez se tenha realizado ontem o primeiro encontro. たぶん昨日最初の会議が行われたのだろう.


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