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直説法および接続法のふたつの叙法において未来形および複合未来形が存在する。
■直説法
直説法・未来・単純形(Futuro do presente simples do Indicativo)と直説法・未来・複合形(Futuro do presente composto do Indicativo)があるが、日本語の用語としては通常前者を単に直説法・未来形と呼び後者を直説法・複合未来形と呼ぶ。
また直説法・未来形の名称として未来・単純形を «Futuro imperteito 直説法・未完了・未来形»とし、直説法・未来・複合形を «Futuro perfeito 直説法・完了・未来形» と呼ぶこともある。
【直説法・未来形】
直説法・未来形の基本的意味は問題となる状況を発話時よりあとに位置づけることである。また発話時と同時の状況にかんする推量をあらわす場合がある。
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(1) O grupo chegará daqui a uma hora. グループは一時間後に到着する予定だ.
(2) O grupo estará a almoçar neste momento. グループは今昼食中のはずだ.
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【直説法・複合未来形】
いっぽう直説法・複合未来形は未来のある時点からみてそれ以前の時間に状況を位置づける機能のほか、発話時からみた過去の状況にかんする推量をあらわす場合がある。
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(3) Daqui a dois anos, o João já terá voltado à pátria. いまから二年後にはジョアンはもう帰国しているはずだ.
(4) Ontem a Maria terá estado com o meu irmão. 昨日マリーアは私の兄と一緒だったはずだ.
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■接続法
接続法・未来形はポルトガル語においては(Futuro imperfeito do Conjuntivo[NGP], Futuro do presente simples do Subjuntivo[NGB]) と呼ばれる。いっぽう 接続法・複合未来形はポルトガル語では (Futuro perfeito do Conjuntivo[NGP], Futuro do presente composto do Subjuntivo[NGB])と呼ばれ、日本語では接続法未来完了という名称も用いられている。
日本語の名称としては意味に踏み込んだ「完了」を用いるという立場もあるが、アスペクト的意味は完了(perfeito)ではなく完結(perfectivo)であることからやはり名称としては適当と言いがたい。本小辞典では、もっぱら形式上の特徴にもとづくNGBの用語に従いつつ、直説法における対(未来形 − 複合未来形)との並行性を考慮して接続法においても、接続法・未来形と接続法・複合未来形という用語を用いる。
【接続法・未来形】
接続法・未来形は未来のある時点における状況を示す副詞節にのみあらわれる。
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(5) Quando o carteiro vier ao escritório amanhã, vou perguntar se ele sabe alguma coisa deste pacote. あした郵便屋さんが事務所にきたら、この小包のことを何か知らないか尋ねてみよう.
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【接続法・複合未来形】
接続法・複合未来形(Futuro perfeito/composto do Conjuntivo|Subjuntivo) は法令の条文などにおいて、ある時点において問題のことがらが完了していることを述べたい場合など、複雑な条件を示す場合に限られる。
なお複合形は、規範的にはhaver も助動詞として用いられることになっているが、原則的に現代のポルトガル語では文語においてもterを用い、haverの使用はまれである。 「複合未来形(接続法)」の項目参照。
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